令和2年度から、浜松市の小中学校に「コミュニティスクール」の制度が導入されました。
でも、コミュニティスクールってナニ? 学校や子供たちにイイコトあるの?
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みです。コミュニティ・スクールでは、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができます。 学校運営協議会の主な役割として、 ○ 校長が作成する学校運営の基本方針を承認する ○ 学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べることができる ○ 教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる の三つがあります。
文部科学省HPより
地域住民が、学校の方針に意見を言ったり、一緒に学校づくりができる仕組みなんですね。 でも、何のメリットがあるのでしょうか?
2020年からの新学習指導要領では、「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という理念を学校と社会が共有し社会と連携・協働しながら未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む「社会に開かれた教育課程」の実現を重視し、その理念を前文に明示しています。 この理念の実現に向けては、組織的・継続的に地域と学校が連携・協働していくことが大変重要といえます。具体的な取組としては、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)や地域学校協働活動の一体的推進が重要です。
文部科学省HPより
グローバル化、人工知能の進化などにより、変化が激しく予測困難な未来が来ることが予想されるなか、現在の学校教育だけで子供たちは将来大丈夫なのかな? また、少子高齢過疎化などの地域的な課題や発達障害や貧困といった福祉的な課題なども併せると、学校が抱える課題が複雑化・多様化しすぎており、より良い社会を創るためのより良い教育を学校の中だけで完結することって難しくない?
こういった課題から、子供の教育に地域と学校が連携できる具体的な取り組みとして、コミュニティスクールが推進されているんですね。
地域ならではの伝統文化など「ふるさと学習」を地域住民に手伝ってもらうことがコミュニティスクールだと思っている人が多いかもしれません。もちろんそれも大切な活動の一部ですが、前述のように、この地域の子ども達が社会に出てから生き生きと活躍する姿を思い描き、そのために必要なことを学校と一緒に考えることが重要なのではないでしょうか。
そして、保護者を含む地域住民と学校が納得した「学校の運営目標」が決まったら、学校任せにしないで、みんなで学校を応援して目標達成を目指す、というのがコミュニティスクールの役割りだということになりそうです。
地域には、いろんな経験、職歴、能力を持つ多様な年代の人達が住んでいます。こういった様々な地域住民が学校教育を手助けしたら、学校の多様化する課題解決や、これからの時代を生きていく子供たちの助けになるのはないかと私たちは考えています。
浜松式コミュニティースクール
浜松スタイルでは、運営協議会に、もれなく「コーディネーター」がついています。
コーディネーターは、学校や協議会で出た意見を実際の活動にするために、専門技術や知識を持つ地域住民と学校をつなぎ、調整をします。
これにより、運営協議会が単なる協議体でもなければ、意見を活動にするのは結局学校でしょ?ということにもなりません。
また、先生は「転任」がありますから、赴任したばかりだと、地域に協力を求めたくても、どこにどんな人材がいるのかわかりません。でも、浜松市のコミュニティスクールでは、とにかく何でもコーディネーターに相談すればいいようになっています。
コーディネーターは責任重大です。 もちろん、コーディネーターを任命するのは校長先生ですので、ある程度地域事情に詳しく、地域活動などを積極的に実践している方が選ばれるのですが、それでも学校と地域のコーディネートなど、初体験だという方がほとんどです。
なので、浜松市の教育委員会では、コーディネーターを中心に研修制度を充実させてくれています。「地域の子ども達には幸せになってほしい」と思う心と「校長先生が、是非にと任命してくれたのだから、とりあえず頑張ってみよう」という前向きな気持ちだけあれば、出席さえしていれば、やがて立派なコーディネーターとして活躍できるよう配慮がなされています。
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