今回の新型コロナによる休校は、延長に次ぐ延長で子供たちや保護者はもちろんのこと、学校の現場でも、とても大変そうでした。
そんな中、ゴールデンウィーク明け早々に、水窪中学校では、オンライン授業が実施されました。
浜松市で一番小さい山の中の学校が、先陣を切った形です。
なぜこんなに早く対応ができたのか
水窪町は、山の中のまちですので、光回線はありません。固定回線はADSLを利用するしかないんです。スマホ回線さえ入らない地域もあります。
教育委員会が主導する全市一斉スタートの正式な遠隔授業ではありません。あくまで、地域住民の協力による「コミュニティスクール」の活動の中で、学校独自の活動として実施しますので、学校の設備は使用できません。
でも、水窪中学校ではいくつかの好条件が整っていたんです。
・ネットやパソコンに詳しい先生がいたこと
・コミュニティスクールがよく機能していたため、支援できるところにすぐにつながったこと
・小規模校であったこと
・保護者の皆さんが、学校を信頼して環境を整えてくれたこと
そして、何より先生たちの思いが一つであり、それを的確にコミュニティスクールに伝えてくれたことが大きかったと思います。
「子供たちが心配なんです」「子供たちと会って言葉を交わしたい」
コーディネーターの私自身、高校生の母親であり、少し前まで水窪中学校でお世話になっていました。「先生たちって、こんな思いで息子の面倒を見てくれていたのか」と初めて知った瞬間でした。
胸熱です!
思いは思いを呼び、スマホ代理店がない水窪町に、社会貢献を兼ねて出張代理店事業を展開し始めたばかりのau代理店の株式会社STCさんが、ネット環境のない家庭に機器や回線を提供してくださいました。
ふざけていますが(笑)、本当に親身になって対応してくださいました。
後で聞いたことですが、入学式の後、またすぐに休校になってしまった学校では、「ゴールデンウィーク後も休校が延長されるようだと、子供たちの精神面の健康が心配でたまらないから、何とか子供たちと対面できる形でオンライン授業をしよう」と決め、無駄になるかもしれない準備を、着々としてくれていたそうです。
先生方は、子ども達がいない教室で、環境づくりや慣れないオンライン授業の準備を重ねていました。
テスト配信でも、何軒かの生徒さんのネット環境に不具合が見つかりました。
これには、地域内のネットに詳しい人が飛んで行って対応します。
ネットのことがよくわからないコミュニティスクールのメンバーは、「緊急事態宣言が落ち着いたら、屋外の活動をやらせてあげたいね。」と、来るべき活躍の時に備えて、自分にできることはないか、と考えてくれていました。
緊急事態のさなかだったからこそ、みんなが子供たちを案じて行動を起こせたのかもしれません。
もちろん、オンライン授業のスキルを身に着けた水窪中学校では、その後も気象警報などによる休校時にも、有効に活用しているようですよ!
コーディネーター ひらさわ
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